東基連会報‗編集後記【平成29年4月号】

「働き方改革」の議論が活発になってきており、とりわけ注目されているのが時間外労働の上限規制。繁忙期など特定の期間に業務が集中する場合の「月100時間」を巡って労使の駆け引きが続いている(今号が届く頃には決着を見ていると思いますが…)。こうした中、宅配便最大手のヤマト運輸は、今春闘で労働組合から要求のあった「荷物の取扱量の抑制」に関して、現行六つに区分されている「配達指定時間」について見直しを図り、ドライバーの負担軽減につなげる意向を示した。百貨店業界では、 株式会社三越伊勢丹ホールディングス傘下の店舗が元旦に加え2日も休業とし、2月についても各週で休業日とする店舗を設けるとのこと。利用者から見れば、いずれもこれまでの利便性は下がる。3月号でご紹介した「時間外規制に関する検討会」論点整理でも「過当競争の中で、顧客の要望に対し、際限なくサービスを提供してきた結果、 “翌日配送”や“24時間対応”が消費者にとって当たり前のものになってしまい、長時間労働を招いている実態もある。過度のサービス要求を控えることが、長時間労働の是正につながり、働く人の健康と幸せにつながることを喚起し、国民全体の意識改革を促すことも重要である。」としている。規制もさることながら、利便性の追求に棹さす意識改革こそ、家庭人の半面を持つ私たちに必要なのではないだろうか。
(一徹者)