東基連会報‗編集後記【平成29年12月号】

今から40年近く前、まだ監督官として駆け出しの頃、秋の収穫を終えた農家の働き手が「出稼ぎ」に出て行く光景を、この頃になるとよく見かけました。第1次産業である農業から、第2次産業である製造業、建設業へと働きを変え、これが産業を支える調整弁になっていたのでしょう。そうした折、大手自動車メーカーが期間従業員の無契約期間を延長し、労働契約法に定める無期転換の適用を回避することができる雇用契約に改めたとの報道がありました(朝日新聞29.11.4)。加藤厚生労働大臣は記者会見で「都道府県労働局に実態把握をするように既に指示」「今回の無期転換ルールの趣旨を踏まえて適切に対応していくということが必要」と回答したとのこと。雇用の安定を期して改正された労働契約法第18条。そして今、国会提出には至っていないものの、非正規労働者の処遇改善を盛り込んだ働き方改革関連法案。その関連やポイントについては本紙「『働き方改革実行計画』を読み解く~開催される」にも記載したところです。非正規労働者の処遇改善に向けた政府の取組の本気度が試されると言っては言い過ぎでしょうか。流行語大賞2017候補30語の20位に「働き方改革」がノミネートされたとのこと。水町先生の熱い語り口を思うまでもなく、「働き方改革」を単に流行語で終わらせるにはいかないと思うのですが・・
(望遠鏡)