消費税率引き上げに伴ってキャッシュレス化も、とは財務省の目論見?IT化の進展からすれば、キャッシュレス化後進国にわが国で当然の成り行きかもしれないが、看板娘?との束の間の逢瀬を奪われると思うのは年寄りのひがみか。ともあれ、コミュニケーションの希薄化が進んでいると感じるのは筆者一人ではないだろう。京都大学総長で霊長類学者でもある山極寿一氏曰く「人間は常につながりを求め進化して来た。信頼や期待を受け、自分と他者が世界を共有し生きるのが人間であり、人の定義はそこに行き着く。」と。コミュニケーションといえば「飲み会」と言われて育った世代としては、その場もやや影が薄くなった感があるが、1次会の費用は会社もち、ただし、お店で一緒になった社員は部署を問はず杯を交わすことなどのルールを決めて復活するなどの兆しもあると仄聞する。時間的・精神的な負担、懐具合との兼ね合いもあるが、健康上の問題や翌日の仕事の効率にも響くことなど、コミュニケーションの場としての「飲み会」を復活させるには多面的な配慮が必要だろう。「朝方勤務」など、働き方改革で先陣を切り、話題の多い伊藤忠商事。同社の「働き方改革」を紹介するホームページで垣見俊之人事・総務部長は「社内の飲み会は1次会のみ10時までを徹底しています。」と「110運動」の取組を説く。良好な人間関係の構築を「働き方改革」の礎とするのならば、改革は一朝にしてならずか。
(馬酔木)