東基連会報‗編集後記【令和元年6月号】

祝賀ムードの中で元号が「平成」から「令和」に改められた。上皇は天皇退位を目前に控えた4月23日、退位に関連した儀式の一つである「昭和天皇山陵に親謁の儀」を終えられた後、産業災害により殉職されたかたがたを慰霊するため建立された「高尾みころも堂」を皇后と共に訪問され、26万人余の御霊を祭る拝殿で供花されたとのこと。両陛下は皇太子ご夫妻時代からこれまでに6回訪問されているとのことであり、戦地への慰霊、地震などの被災地に慰問に行かれたのと同様、労働災害で亡くなられた方々への気遣いを忘れず、人の命を大切にするお心をありがたく思う。供花の後、労働災害による死亡者数の推移の説明を受け「ずいぶん少なくなりましたね」と感想を述べられ、死亡者数を減らすには「どういう努力が必要ですか」と質問されたとのこと。説明に当たった方がどのような回答をしたのかは、残念ながら報道されていないが、皆さんはこの御下問にどうこたえるだろうか。6月は全国安全週間の準備期間である。各社とも安全大会をはじめとして、様々な取組が行われることと思うが、陛下の御下問への答えを見出す努力もまた全国安全週間の意義であることを再確認できればと思う。
(案山子)